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「夫婦善哉」といえば、法善寺横丁の代名詞として、長年、多くの大阪庶民から愛され続けてきた甘味処の老舗。そして、お店にある看板メニューの名前でもある。 お店がある法善寺横丁は、浄土宗の天竜山法善寺境内に発展した飲食街。寄席囃子が流れるなか、酔客がそぞろ歩く往時の情趣は失われたとはいえ、いまでも古い大阪を残す、最も浪花情緒の濃い一角だ。打ち水で濡れた石畳が続く境内は、大阪の都心とは思えないしっとりした情緒を漂わせている。 境内の一角に、苔むしてたたずむ「水掛不動」さんは、古くから水商売をはじめとするミナミの粋筋に親しまれてきた。今も商売繁盛、恋愛成就などを祈願しに、多くの参拝客が訪れる。 参拝客は、お不動さんに柄杓で水をかけ、手をあわせて一心に願を掛けていく。ご尊顔もわからぬほど苔むしたお不動さんのお姿からも、いかに参拝客が多いかがうかがえる。 線香の煙がたちのぼるなかに浮かぶ「夫婦善哉」の赤い提灯は、この界隈には欠かせない浪花の情緒。参拝帰りに立ち寄るお客さんも多く、観光に来た人にとっては、絶好の休憩どころだ。 織田作の小説にも登場するお店は、明治41(1908)年の創業。現在は3代目が店を切り盛りしている。
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